飲食店の成否は、開業時に８割決まると言われています。

それは、開業時に決めなければならないことが多く、一度決めたら後で変更することが難しいことが多いためです。

飲食店経営において、開業時に間違いをしなければその成功率は確実に高くなります。

飲食店の開業準備において検討すべき項目は以下のとおりです。

1. コンセプトを決める
2. メニューづくり
3. 店舗物件さがし
4. 店舗レイアウト
5. 取引業者さがし
6. 広告戦略
7. スタッフ採用

上記の項目をもれなく検討し、確実に準備を進めてください。

コンセプトは、店の価値を決める大事なものになります。

コンセプトづくりに必要な５項目

1. 流行にとらわれない　　流行はいつか消えてなくなるものです。
2. 顧客のニーズはあるか　お金を支払う価値があるかどうかを決めるのはお客様です。
3. ライバルから学ぶ　　　同業他店、特に同じ商圏のライバル店は何をどのように売っているか。
4. 業種・業態を考える　　業種・業態、組み合わせにより様々な可能性があります。
5. 情熱を注げるか　　　　上記1～4で考えた内容は本当にやりたいものですか。

上記の項目はゆっくり時間をかけて、何度も繰り返し検討し進めてください。

コンセプトを実現させるために、サブコンセプトが必要になります。

• 顧客コンセプト（誰に買ってもらうのか）　　　　ターゲットを決める
• 商品コンセプト（何を買ってもらうのか）　　　　商品イメージを決める
• 価格コンセプト（いくらなら買うか）　　　　　　価格イメージを決める
• 立地コンセプト（どこなら買ってもらえるか）　　立地条件を決める
• 店舗コンセプト（どんな雰囲気なら買うか）　　　店舗イメージを決める
• 時間コンセプト（いつなら買ってもらえるのか）　営業時間を決める
• 接客コンセプト（どんなサービスを提供するか）　接客イメージを決める

メニューによって以下の重要な項目が決まります。

1. 店の価値　　　　中心となる一番商品を決めることにより商品戦略を策定します。
2. 売り場づくり　　調理実演・店の雰囲気を決定します。
3. 初期投資　　　　厨房機器・店舗備品の選定・内装を決めます。
4. 開業準備　　　　出店立地・店舗レイアウト・仕入業者を選定します。
5. 開業後の売上　　価格設定と見込客数、営業時間により目標売上を設定します。

メニューは、店のコンセプトを具現化するための重要なものになります。

それぞれのバランスをチェックし、全体として整合性のとれたものにします。

飲食店経営は「立地」により、その後も大きく影響します。

店舗物件は、一度決めたら簡単には変えられません。

また、希望する条件どおりの物件はそうそう見つかるものではありません。

最も大切なのは、物件に合わせて事業計画を柔軟に修正することです。

立地コンセプト・店舗コンセプトに照らし、以下の項目を検討してください。

1. 駅近く　　　街のイメージと駅乗降客数が売上アップにつながるか
2. 路面店　　　人通りとターゲット
3. 地域調査　　ライバルの出店状況、昼と夜の人口
4. 目立つか　　看板設置場所、来店経路
5. 収支計算　　目標売上と借入額に対し、初期投資額と開業後の運営費用とのバランス

これらを検討し、投資に見合った利益を出せる店になるかどうかを見極めます。

店舗のレイアウトは、店舗コンセプトに照らし、

お客様を

1. どのようにお迎えして
2. どのように席までご案内して
3. どのように食事を楽しんでいただくか

ストーリーを具体的に組み立てて計画します。

• 席配置　　一組当たりの来客数、滞在時間に合わせて効率的な席配置を行い満席率を上げる。
• 客席認識　入店時対応、レジ対応、呼ばれた対応に多くのスタッフが確認できるレイアウトを。

お客様とスタッフの動線の取り方は、

• レジの位置を決定する
• サービス動線はできるだけ短く
• お客様とスタッフができるだけ交差しない

これらを検討したうえで計画します。

必要なものをピックアップします。

• 食材　　　　　　自店の料理に必要な食材や調味料とその品質、産地
• 備品・消耗品　　調理用具、客消費用、掃除用、事務管理用
• サービス　　　　制服クリーニング、店舗清掃、ごみ処理、BGM、販促物制作など

納入業者との取引上、最も重要なのは、『品質』『産地』『価格』『納入サイクル』です。

これらを検討したうえで計画します。